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このコーナーでは、女相撲などに関して、私の知る限りのことを記録に残したいと思い
ます。
 情報,小説,マンガ,映画/ビデオ,あるいはHPなど、私が見聞きしたことを、ランダ
ムにつづっていきますので、 脈絡のないコンテンツになりますがご勘弁ください(あとで
編集したいと思います)。
 訂正,ご意見,ご要望などございましたらメールいただければうれしいです。
(このページは下へ行くほど新しい記事です)

そもそもの始めは?
 私の知る限りでは、女相撲の一番古い資料は日本書記の雄略天皇のエピソードで、
あるとき、巷に 大変に腕のよい大工がいて、その技は冷静沈着、寸分のくるいもないと
聞いた天皇は、そのうわさを 確かめてやろうと、その大工が仕事をしている目の前で、
女性に褌を締めさせて相撲をとらせたとのことです。
 あまりの異様な光景にあわてた大工が足場から落ちたのを見て天皇は、
「それ見たことか、口ほどにもない」と怒って、大工を切り捨てた・・というのですから、
理不尽と言えばこれほど理不尽な話もないですね。(また聞きですけど)
 いや、何を言いたいのかというと、神代の昔から女相撲は只事ならぬ興味の対象だっ
たのかな、と・・ いやいや根の深いことでございます。

次は戦国時代
 時代はずーっと下って戦国の世。あの織田信長の若きころ(尾張のウツケの頃でしょ
うか)、 女達を集めて相撲をとらせたとのこと。
 これは山岡荘八の小説に出てくるそうなので、後でウラを取りたいと思います。
追記('02/12/30):ありましたありました。講談社山岡荘八歴史文庫「織田信長(1)」  幼
名「吉法師」のころ、農家からかっぱらった握り飯を褒美に、13〜14歳程の 少女達を
集めて相撲をとらせて喜んでいたそうです。
「汚れた帯をマワシにしめて」草相撲をとる少女達ですから、いやなかなか・・
(でも、これって江戸時代の小説「信長記」の創作じゃねえだろうな?)
 これ、横山光輝がマンガにしてるんですね。ガワッチさんの「こんなんありましたっけ」
のコーナーにありました。

花の江戸時代に突入すれば
 初期の頃には、若き家光が衆道好みで美少年ばっか相手にしてるので、 これでは世
継ぎができないと、あの春日局が心配し、奥女中に家光の前で女相撲をとらせ、 女性
への欲情をかりたてようとした・・と、とみ・新蔵のマンガにありました。
 あとは百花繚乱。綱吉公の女相撲とか(徳川女系図?)、田沼意次の息子の意知が
興に任せて 女相撲をとらせたとか(ねたまれてのデマかも)・・
(でもこのパターンの構図はアリですよね。「バカ殿女相撲御前試合」って、画力があれ
ば 描いてみたいもんです。)
 読者からのメール情報では、田沼意次御本人も腰元に女相撲をやらせて興じていた
そうです。 なんでも幕府のお偉方への接待だそうで、あの平賀源内も招待され、刺激さ
れて女相撲小説を 描いたとか(読みたいなあ)。
 さて以上は権力者の数寄勝手ですが、一般庶民にも色々あったようで、よく言われて
いるのは 神事の雨乞い女相撲の類です。でも研究者によると(後述の雄松比良彦氏)
伝説の域を出ないようで、 はっきりした資料はないようです。
 ほかには完全に見世物の女相撲で、私が聞いたのは盲人と女相撲の試合見世物で
すね。 これはゲテモノの類で、江戸時代にホントにあったみたいですが、女は腰巻姿の
オバハンだったとのことで、 萌えません・・(笑)

明治維新を乗り越えて
 幕末から明治にかけて、職業的女相撲興行団体が各地を巡業してたのも本当みたい
です。
 もっとも、肌襦袢をきてマワシを締めた相撲らしいですが・・
 小説人形佐七捕物帳にも「風流女相撲」の巻がありまして、 女相撲部屋に詮議に行
って色気に当てられちゃうというエピソードがあったような。 でも、これが肌襦袢にマワ
シ姿の相撲なんですよね。ちょい萎え・・
 さて、「江戸・幕末から明治の初年にかけて職業女相撲団が 地方をまわっていたこと
は十分考えられる」のだそうです。彼女らはやはり最初は 素裸にマワシ一丁の格好で
相撲興行をやってたらしいのですが(やったね!) だんだんお上の統制が厳しくなり、
肌襦袢やらモモヒキ・ババシャツの上にマワシを 締めて相撲をとるようになったらしいと
(ん、もう!いけず!)。僕も女相撲力士たちのヤグラ (ほら運動会でよくやるやつ)を
組んだ写真をある雑誌(後述の「奇譚クラブ」)で見ましたが、 やっぱりシャツ・モモヒキ
姿でしたねえ・・

大正ロマンのデモクラシー
 日清日露の戦争特需で、にわか成金がこの時期どっと増え、あちこちであぶく銭を 遣
いまくるお大尽様が目に余るようになりました。このお人らが、宴席でもって札びら切っ
て芸者衆に女相撲を取らせた・・ってえ記録は枚挙がございません。な、なんとうらやま
しい、じゃなくって不謹慎な・・

昭和元禄浪花節
 はい、歴史のオベンキョはここまで。後は脳内世界(創作)のお話しかありまっせん。
 昭和に入り、戦後になれば、避けて通れぬ巨大な雑誌がございます。その名も「奇譚
クラブ」
 戦後に発生したカストリ雑誌(カストリ・・粗悪な酒・・3合飲めばつぶれる・・3号で潰れ
る)の中で、脈々昭和50年まで生き長らえた堂々たるエロ雑誌であります。
 この雑誌は投稿をメインとし、独特のフェティシズム文化圏を顕在化させ(歴史に残る
産物として、団鬼六の「花と蛇」(サディズム),沼正三の「家畜人ヤプー」(マゾヒズム)
がございます)、その数多いジャンルの一つが女相撲愛好家のワールドだったのです。
 この本の中で、女相撲マニア達は、おそらく始めて自己表現の場を得たのでしょう。
号を経るに従い、その度合いはエスカレートして行きました。
 妄想小説、エッセイは数限りなく、イラストも秀逸なものが続々投稿され(ああ、それは
今のネット世界を思わせます)、ついにはその手の組写真集(今のビデオと同じですね)
も頒布販売されました。
 当時の宣伝文句を見て見ましょう。「黒褌奔放姿態」、いいですねえ「白褌浜辺の死
闘」、萌えますねえ。ああ、でも残念がらなくてもいいですよ。モデルはほとんどオバハン
です・・(しくしく)
 しかあしいっ!(お、気をとりなおしてるな)この本で女相撲マニアは自らの居場所を
確認できたと言っていいのではないでしょうか。おそらく、それまでどこにも何も言える機
会のなかった人々が、この雑誌の場を通じて始めて己の狂おしい心情を吐露できたわ
けです。その喜びはいかばかりだったでしょうか。ここでも僕はインターネットとの相似
性を思わずにはいられないのでございます・・
 今も語り継がれる投稿者の方々を見てみましょう。妄想小説では、海野美津夫(奮斗
士好太というまんまのペンネームの人と同一と思われます)。達者なイラストもこなし、
腰元同士の相撲御前試合を描いた「若き領主の試み」、女子高相撲部のさわやかな青
春像を描く「花の女斗美たち」などの傑作があります。
 イラストでは、墨絵の雪崎京人、先ほどの海野美津夫、女相撲研究家でもある雄松
比良彦(前述;の「研究者」であらせられます)のお三方が質・量ともに最高です。あと、
畔亭数久(「ぐろてすく」と読むのだそうです!)という、おそらくプロの絵師さんがおら
れ、娘相撲画、切腹画、褌姿の女武者など、僕的萌絵をお描きになっておられました
(「百合子の冒険」という、褌一丁で南海の孤島を冒険するという少女の絵物語をお描
きになりました。激萌え!)。
 [追記]言い忘れましたが、女闘美(めとみ、女斗美とも書く)という言葉の発祥の地もこ
の雑誌です。提唱した方は、やはり奇譚クラブの投稿作家「土俵四股平」といわれてい
ます。つまり、キャットファイトを愛でる姿勢を表す言葉で、あの中野貴雄監督の「メトミ
ックアクション」もここから来ています。
 こんな素晴らしい言語感覚は失われて久しいですねエ・・

奇譚クラブとその時代
・・と書いたところで、僕はあわてて次の本を紹介せざるを得ません。
「「奇譚クラブ」の人々」北原童夢・早乙女宏美 共著 河出文庫(河出書房新社)2003.
4.20発行
 どっひゃ〜!ですね。発行当日に本屋で見つけて。慌ててこの文を書いてます。
 実は僕、女相撲マニアからの切り口で、その功績の高さに比して顧みられる事のあま
りに少ないと感じたこの雑誌を、ちょっとでも紹介できたら、とこの章を書いてたんです
が・・
 杞憂でしたね(ってゆーか思い上がり?)。忘れ得ぬ人はやはり居られるのです。特
に、著者の方々は僕と同じく、この雑誌が廃刊になってから古本で読んでトリコになった
人達ですから・・感無量です。
 僕が嬉しかったのは、前章で書いた事のウラがこの本で取れたこと。なによりこの雑
誌は、女相撲マニアだけでなくって、いろんなマニアが交流できる最初の場を提供した
という意義が大きいと思います。
 さて、この本ですが、女相撲の章は残念ですが数ページだけ(奇譚クラブのカバーし
たジャンルの広さを思えばやむを得ません)、でも筋のよいイラストが結構載ってます
(レトロな絵がお好きなら・・前章で紹介した絵師さん達の絵も・・)。僕のような、レトロエ
ロのお好きな方にお薦めします(どうぞ立ち読みしてご確認の程・・)。

幻のビアガーデン
 創作の話題しかないとは言いながら、思えば色々出てくるもので・・。
 時代は昭和58年前後。新宿歌舞伎町に、夢の女相撲ステージがありました。その名
も「ガーデンパブアサヒ」。
 ここは、ビールを飲みながら、女相撲をライブで楽しめるという、そりゃあもうの世界
で、地方在住の僕としては、見に行けないのがくやしいのなんの・・ついに幻と終わった
のですが・・
 わずかに「写真時代」とかが特集を組んでくれたおかげで、雰囲気なりと想像できま
す・・
 初期は「大奥女相撲」という趣向で、お白粉塗ったくりの女の子がキモノで土俵に現
れ、パラリと全裸に六尺褌一丁の姿となって相撲を取るという・・(TX的激萌え!)演出
だったのですが、チト不評だったと見え、後期にはハードマワシ装着の正統女相撲ライ
ブになりました。当時の様子をとあるビデオでうかがうことができます(中野貴雄監督
「牝猫たちのバトルロイヤル」)。アノ、中村京子姐御も常連様であったようで・・

憧憬のミュージックビデオ
 あれは何時頃のことでしたか(多分80年代)・・
 僕はとあるカフェバー(死語っ!)で仲間とだべっておりましたら、壁の大画面TV(カフ
ェバーにつきもの)に、当時人気のデュランデュランのビデオがかかりました。
 見るとはなしに見ていると、マワシ姿の金髪美女が歩いてくるシーン!
 コレハコレハ!と思いましたが、仲間の手前取り乱すわけにも行かず、さりげなくタイ
トルだけはしっかと覚えこみました。
 後に偶然にも某ホームセンターのワゴンセールで格安で手に入れることができたので
すが・・(運命!)
 曲名は「グラビアの少女」(原題 girls on film)
 内容の続きを書きますと、美女のスタイルはマワシに上半身は素肌に黒網シャツ。金
髪を畳んだ孔雀の尾のように高く高く結い上げてます。
 土俵ならぬリングで待ち受けるのは、ちゃんと相撲マゲを結った白人力士。
 超屁っ放り腰でシコをふむ白人力士を、この美女力士がつんころつんころ投げ飛ば
すという映像でした(MIX fight?)。
 「恋はハッケヨイ」に先立つこと20年前の衝撃映像でしたねえ・・

もう一冊の奇譚倶楽部本
 前に紹介した「「奇譚クラブ」の人々」と同じ河出文庫(河出書房新社)から、濡木痴夢
男氏の書いた「「奇譚クラブ」の絵師たち」という本が出ています。
 濡木痴夢男氏はご存知の通り、稀代の緊縛師として某ビデオシリーズにてその辣腕
をふるっておられますが、かつては奇譚クラブの作家として同誌の編集にも深く関わっ
ておられました。そのときの絵師たち、編集者たちとの思い出を綴ったのが本書であり
ます。
 ここで語られる、不世出の人、天才絵師にして天才編集者の須磨俊之(絵師、喜多玲
子)の思い出をメインに、様々な奇譚クラブの絵師たち、編集者たちが、その人間像を
明らかにされていきます。
 ただのカストリ雑誌を、用心しながら、少しずつ少しずつ己の理想の雑誌に変貌させ
ていった須磨。また、その天才を見抜き、その天才に学び、須磨去りしのち、奇譚クラ
ブを守り抜いたオーナー編集長箕田京二。
 絶えず官憲の迫害を受けながら、雑誌を出し続ける彼らの姿に、僕は涙を抑えること
が出来ませんでした。ああ、なんと楽しそうだったことでしょう!世が世であらば、僕も道
をば踏み外し、彼らの仲間になりたかった!食うものも食えず、エロ記事、エロイラスト
を切り貼りし、版下をつくる作業に混ぜてほしかった。
 でもそれは、今気づいてももう遅い、過ぎ去った遠い昔の話なのですね。(この項続く)

SM小説と女相撲
 話は少々私事に走ります。さて、私がこういったを得てから(この辺の事情は
Muramasa-Blade様のHPにてゲロしております)、当然この手のモノ(あからさまに言え
ばズリネタ)の収集を始めました。
 昔のこととて、エロ気付いた厨房が、こんな特殊なネタを集められるわけなく、もっぱ
ら自作品と、ノーマルエロ雑誌が頼りでした(何の頼りになったのだ)。
 そんなエロバカ厨房でも、同じような趣味を持つ他人が居ることに気づいていました。
 キッカケは、オヤジの隠し持っていたエロ雑誌でした(この親にしてこの子あり)。もう
誌名も何も覚えてませんが、A5版の奇譚クラブ系の本だったと思います。そのグラビア
に、褌一つで相撲を取るオネーサン達の写真が!キャプションに「本物の力士さんがポ
ーズの指導をしてくれました」とありました。この後、私がどうなったかはおいといて…つ
まり、求めれば、与えられる可能性に気づいたわけです。
 ちなみに、その問題の雑誌はどうやら借り物だったらしく、その日以後はオヤジの部
屋からは姿を消しました…(友達に返したわけね)

 さて、月日は流れます。厨房、高校生では、当時は世間体が悪くって、とてもエロ雑誌
を漁れる雰囲気ではありませんでした。運命を変えたのは、とあるゴミ箱で見つけたS
M雑誌「SMセレクト」だったのです。
 さて、それがどこのゴミ箱だったか、何時のことだったかは瑣末のこと(ごまかしてる)、
問題はその号の「SMセレクト」誌に、褌愛好者の女性告白コラムが載ってたこと。
 まあ、編集者の煽り記事かもと邪推する余裕はありましたが、少なくともSM雑誌にお
いてこの話題はアリなのかと、気づきました!
 いや、僕には別にSM趣味はないですが(本当か?本当なのか?と小一時間問い詰
めたい)、これ以降、僕のSM雑誌漁りが続くのです。収穫はあったのかって?
 はい、実に実り多き探索でした……というわけで、次回からはこのネタが多くなりそう
な予感。

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